債務整理

住宅が競売される前に個人再生を!

借金を滞納している、特に住宅ローンの返済を滞らせている人は要注意です。
そのままでは、せっかくの持ち家が競売にかけられて、処分されてしまうかもしれません。

この記事をお読みの方の中には、既に「競売開始決定通知」という書類が届いてしまった人もいるかもしれません。
その書類が届いた場合、競売まで時間の猶予はありません。

ここでは、住宅ローンを滞納している人や、自宅が競売にかけられそうな人に向けて、競売を回避する方法を解説してきます。
マイホームを守りたい方、手放したくない方はぜひ参考にしてください。

1.住宅ローンを滞納し続けるとどうなる?

(1) 滞納後の流れ

住宅ローンを支払わないと、当然ながら債権者から催告が来ます。
1ヶ月程度なら比較的優しい文面で済みますが、滞納期間が長くなるにつれて厳しい内容のものになっていきます。

そのままでいると、やがて住宅ローンを保証会社が一括弁済し、債権者は保証会社に切り替わります。
その後も放置したままでいると、保証会社は債権を回収するために裁判所に申立てを行って、「競売」の手続を進めます。

(2) 競売とは

競売(きょうばい・けいばい)とは、債権者が債権を少しでも回収するための手段です。

競売が始まると、裁判所が債務者の持ち家を売りに出します
その後、購入を希望する人が購入希望金額を提示して、期限内に最も高額を提示した人が物件を落札します。
あとは落札者がお金を支払ったら、所有権が落札者に移ります。

落札者が引き渡しを求めてきたら、元所有者は基本的に拒むことができません。
立ち退かない場合、元所有者は他人の所有物件を不法に占拠していることになります。

落札者は法的手段を用いて立ち退きを求めることができ、元所有者は強制退去となってしまいます。

(3) 競売後に残る債務

「競売によって家が売られるならば、借金(住宅ローン)は消えてなくなるだろう」……そう思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。

例えば、住宅ローンの残額が1000万円あり、競売で債権者が回収できた金額が800万円だった場合、債務が完済されていないので(残務200万円)、まだ支払義務が残ります
持ち家を失ったうえに、借金の返済が重くのしかかってしまうのです。

競売の売値は市場価格よりも安いことが多いため、多額の借金が残ることも少なくありません。

2.競売開始までの流れ

住宅ローンを滞納し始めると、ケースによって異なりますが3~6ヶ月程度で保証会社による「代位弁済」が行われます。
ここでは仮に6ヶ月とします。

滞納開始から6~8ヶ月程度経つと、保証会社が裁判所に競売を申立てて、裁判所から「競売開始決定通知書」が送られてきます。
その後、8~10ヶ月目くらいに、裁判所から執行官や評価人(不動産鑑定士)などが「現況調査」にやってきます。

調査では競売をするために必要な情報を得るために、写真撮影や間取りの確認、住んでいる家族や近所の住民への聞き取りなどが行われます。

そして10ヶ月を過ぎたあたりで「期間入札決定通知書」という書類が届き、入札期間がわかります。
入札期間は1週間~1ヶ月の間に設定されることが多いようです。

長い場合でも、概ね滞納開始から1年程度で持ち家を失ってしまうと考えてください。

3.競売を回避する方法

競売を避けるには主に3つの方法があります。

(1) 個人再生

最もおすすめの方法です。
個人再生は借金を5分の1~10分の1程度に減額して、それを3年程度かけて毎月少しずつ返済していく債務整理です。

自己破産をすると大抵の場合持ち家を失ってしまいますが、個人再生には「住宅ローン特則」というものがあります。
これは「住宅ローンを従来通り支払うことを条件として、持ち家を手元に残せる」という制度です。

住宅ローンは減額されませんが、住宅ローン以外の借金を大幅に圧縮できるため、毎月の返済総額を抑えられます。

また、個人再生をした場合、保証会社による代位弁済から6ヶ月以内であれば、代位弁済自体をなかったことにして元々の債権者にローンを巻き戻すことができます。

住宅ローン以外の借金が多い場合は、個人再生をして住宅ローン特則を利用すれば、住宅を手放すことなく借金の状態を劇的に改善できる可能性が高いです。

個人再生の手続は複雑ですが、弁護士に任せれば問題ありません。

[参考記事]

個人再生で住宅ローン特則を利用したい場合の条件と流れ

(2) 任意売却

任意売却とは、専門の業者に頼んで持ち家を売却してもらい、それを借金の弁済に充てる方法です。
持ち家を失ってしまいますが、任意売却をすれば競売よりも高値で家を売ることができるので、借金を大きく減額できます。

また、競売の場合は引っ越し費用を自腹で支払う必要がありますが、任意売却をすれば交渉次第で引っ越し費用の一部を出してもらえる可能性があります。

家を売ることがどのみち避けられないような状況に陥った場合は、競売ではなく任意売却を選択した方がいいでしょう。

(3)リースバック

リースバックとは、住宅を専門の業者に売却し、自分は家賃を支払って同じ住宅に住み続けることを言います。
家の所有権は失ってしまいますが、住宅を売却したお金を借金の弁済に充てられるうえに、同じ家に住めるというのが最大のメリットです。

もし将来お金が貯まったら、家を買い戻すこともできます。

家賃を支払い続ける必要があるということと、所有権を失ってしまうという部分がネックになるかもしれませんが、それを我慢できるのであれば検討するに値する選択肢の1つです。

4.家を競売されそうな場合は、すぐにでも弁護士へ

競売開始決定通知が届いたら、一刻の猶予もないと思ってください。
理論的には開札日の前日までは競売を回避できる可能性がありますが、実際にはどの回避方法を選ぶにしても手続に時間がかかってしまいます。

競売を回避する方法の中で、最もおすすめなのは個人再生です。
個人再生の手続は複雑で時間もかかるので、できるだけ早く弁護士に相談してください。迅速な判断が大切です。

所沢市、入間市、狭山市ほか埼玉西部地域、西武線各線沿線にお住まい、お勤めの方は、泉総合法律事務所所沢支店にぜひ一度ご相談ください。

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