法人破産

自分の会社が倒産しそう…!?給与遅配や減額で困っている方へ

会社の倒産の予兆やタイミング|給与遅配や減額で困っている方へ

もし、自分が働いている会社が突然倒産したら……。この先どうしたらいいのか途方に暮れてしまうでしょう。

会社倒産は決して他人事ではなく、2017年の全国の倒産件数は8,405件にのぼり、法的手続きをとらずに倒産した企業まで含めると、実際の数はもっと多くなると言われています。

会社倒産はある日突然起こりますが、実は倒産する前に必ずその兆しがあります。それが事前に分かれば、従業員としてもいち早く対処することができるでしょう。

会社倒産前に見られる予兆とは一体どのようなものなのでしょうか?

ここでは、会社倒産のタイミングを見分ける方法と対処法について解説します。

1.倒産が近い会社にありがちな兆候

従業員として働いていれば、会社倒産の兆候は少なからずキャッチすることは可能です。

倒産前にありがちな兆候は以下の通りです。当てはまる場合は要注意です。

(1) 給与遅配・減額は赤信号・給与の遅配

給与遅配は倒産直前の会社によくある現象です。一度だけでなく二度以上、給与の支払いが遅れた場合は要注意です。

なぜなら、多くの会社はどんなに困っても、従業員への支払いを優先しようとします。

会社の支払ができないとき、経営者が最初に遅らせるのは税金関係の支払いです。税金の支払いは税務署に相談をすれば猶予措置をとってもらえることもあるので、先延ばししやすいからです。

また、取引先や銀行への支払いについても、事情を話して支払日や支払額について調整することも可能です。

しかし、従業員への支払いはそうはいきません。従業員は会社運営の要であり、いなくなれば事業を続けることができなくなります。

また、給与遅配があれば従業員とその家族の生活に多大な影響を与えることも目に見えています。

そのため、会社としてはどんなことをしても従業員の給料だけは遅れずに払おうとするでしょう。

それでも支払いが遅れるのであれば、経営は末期状態に陥っていることの何よりの証です。

中には給与の支払いよりも銀行や取引先の支払い等を優先させる経営者もいますが、基本的に給与遅配があれば、会社は相当危機的な状況と見て間違いないでしょう。

(2) 支払期限前の売掛金回収

会社の経営が苦しくなると、経営者は資金ショートを起こす前に売掛金を回収しようとします。

通常、売掛金には支払期限があり、その日までは支払いをしなくても良いのですが、経営が逼迫している場合はそこまで待つことができません。

そのため、期日前に売掛金を回収しようとしている場合は、取引先から「あの会社は経営状態が悪いのでは?」と思われることは必至です。それは経営者も理解しています。

それでも回収するのですから、信用を気にしている場合ではないほど追い詰められているとみて間違いありません。

実際に倒産前の会社はこうした行動が見られるので、自社でそのような動きがある場合は身の振り方を決める一つの目安になるでしょう。

(3) 突然の経費・維持費の節約

会社から突然に経費や維持費の節約の方針が打ち出され、その徹底を求められたときも、経営状況に変化があったと考えられます。

宿泊、交通費の削減はもとより、エアコンやパソコンなど日常業務に関連する機器、さらに数百円単位の事務用品まで細かく節約を言ってくる場合は、相当経営が苦しい可能性は高いです。

具体的には、遠方への出張なのに在来線や高速バスを利用させられた、旧式のPCから買い替えができない、事務所が高層ビルから築年数の古いビルへ移転した、といったことがあれば黄信号です。

また、仕事に直接関係しないものも要チェックです。例えば、更新の月でもないのにウォーターサーバーなどのレンタル契約が突然打ち切られるといったことがあれば、倒産の前触れかもしれません。

(4) 給与制度や人事評価制度の頻繁な変更

給与の減額、賞与のカットなど、給料に関する制度に変更があった場合、高い確率で倒産する可能性があります。基本的に給与を不当に下げることは法律で認められていませんが、経営状態が悪化した場合は減額できるケースもあります。

固定給の減額以外では、残業代が給与込みになったり、休日が減らされたり、歩合が下がったりする場合もあり、いずれも会社に余裕がなくなったときにみられる変化です。

また、急な人事評価の変化も要注意です。人事評価の変更をすれば合理的に人件費を抑えることができるからです。

具体例としては、営業ノルマを厳しくして、インセンティブの支払を抑えることで経費削減をするといったことがあげられるでしょう。

(5) 希望退職者の募集

業種によっても異なりますが、多くの会社の支出の中で最も大きなものは人件費です。月給30万円の正社員を一人抱えると、会社は社会保険料、住居手当等のサポートも含めると給与の倍の60万円程度の負担をしなければなりません。

10~20人程度の従業員をリストラや解雇するだけでも、年間で1億円近くのお金を浮かせることができるので、会社としては経営が苦しくなると、貢献の低い社員については退社させたいのが本音です。

希望退職者の募集が少数の場合は別ですが、全社員の中でも相当の割合を占める人数であった場合、会社の経営は危機的な状況と見て間違いないでしょう。

(6) 経営幹部や経理部長などの辞職

経営幹部や経理部長は会社の財政状況を熟知しています。その立場の人が立て続けに辞職する場合は、会社が傾き始めている何よりの証です。

経営状態がよく、資金繰りにも問題がなければ辞める理由がありません。

優秀な人は他所でも採用されるので、無理して泥船にしがみつく必要はなく、早々にひっそりと辞めていくでしょう。

以上の項目で、いくつか思い当たる節がある場合は、この先会社が倒産する可能性は0ではありません。しかし、勝手に怪しいと思い、個人の考えだけで噂にしたり退職したりするのは危険です。

もし、会社の経営状況が不安な場合は、1人で悩むのではなく、冷静に客観的に調査を始めることをおすすめします。

2.客観的に調査をするには

個人レベルで会社の状況を正確に調査するのは限界もありますが、できることは沢山あります。個人でできそうな調査方法は以下の2つです。

(1) 他の従業員と情報交換する

社内で手っ取り早く経営状況を調べるには、経理や人事の人と情報交換を行うことです。特に経理担当は経営状況を熟知しているはずです。

また、人事については会社のキーパーソンが退職していないか確認しましょう。

もし、経営や営業の要になる人物が退職していたとすれば一大事です。退職者が続出している場合も要注意です。

上記情報に加え、経理や人事の担当者が会社に対してどのような印象を抱いているか確認することで、現在の会社の実態が浮き彫りになる可能性が高いでしょう。

(2) 決算状況、経営情報を調べる

自分で決算状況、経営状況を調べるのも有効です。上場企業であれば決算状況が公開されているので、会社の状況を知ることは比較的簡単です。

中小企業の場合は「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」」などの調査報告書に記載されている経営情報から現在の会社の状況を窺い知ることができるでしょう。

企業の調査報告書の中には売上、資産、評価も記されているので、会社の状況を調べるにはまたとない情報です。

ただし、調査報告書は入手するのに高額の費用が必要なので、実際は社内の人脈で情報を入手するほうが現実的かもしれません。

いずれにしても、予断を持たずに調査を行い、冷静に情報を精査し、その上で会社に残るか否か結論をだすのがベストです。

仮に退職すると決めた場合も、すぐに退職をするのは得策ではありません。

3.退職する場合は慎重に行うべき

自分で調査をした結果、会社の倒産は不可避だと判断した場合、退職するのは間違いではないにしろ、行動は慎重に行う必要があります。

自己都合退職はデメリットが大きいです。

(1) 自己都合退職は失業保険の給付が遅い

会社が倒産しそうだから退職もやむをえないと思っても、倒産していない段階では「自己都合退職」として扱われます。

自己都合退職になった場合、失業保険の給付は退職から3ヶ月後からなので、その間は収入が入ってきません。また受給期間は90日(最大150日)までとされています。

一方、会社倒産によって失業した場合は「特定受給資格者」に該当し、過去一年間に被保険者期間が6ヶ月以上ある場合は受給対象者となります。

会社倒産の場合は、失業保険の手続き日から7日間の待機後にすぐに失業保険の給付を受けることができます。

会社都合の場合は最短90日~最長330日まで給付を受けることができるので、自己都合退職に比べるとずっと有利な内容です。

(2) 転職活動への影響

自己都合退職をすると、失業保険の給付期間が短いことから転職活動にも焦りがでます。早く仕事を見つけようと不本意な就職をするリスクが高くなります。

また、「自己都合」による退職になってしまうと、転職活動への影響も少なくありません。会社を辞めた事情は聞かれますし、就職が決まらずに失業期間が長くなるほど「どこの会社も雇わない人」というレッテルを貼られる恐れもあります。

4.給料がもらえず借金をしているならば弁護士相談を

会社が倒産しそうだからと、慌てて計画性もなく退職をすると、却って生活の困窮を招く恐れがあります。

しかし、このまま会社に居続けたところで、最終的に倒産ということになれば、もらえるはずの給料も受け取れないかもしれません。

もし、給与の遅配、減額などが原因でお金がなくなってしまったり、既に退職をしていて仕事が見つからず借金を抱えてしまったりしている場合は、泉総合法律事務所にご相談ください。

泉総合法律事務所では、勤務先の倒産、収入減による借金でお困りの方の相談を多く承っております。問題の解決事例も豊富にございますので、お力になれることがあると思います。

自分ではどうにもできない借金問題に巻き込まれたときは、自己破産をはじめ債務整理などの解決策を、専門家である弁護士と一緒に考えることが大事です。相談は何度でも無料ですので、どうぞお気軽にご相談下さい。

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